《MUMEI》

俺は、驚いて、言葉が出てこなかった。


祐希は、更に続けた。


「悪かったな。これからなかなか会えなくなるだろうし…
その前に、どうしても伝えたかったんだ」


卒業後は、俺は地元に就職・祐希は県外の専門学校に進学が決まっていた。


「いや。…祐希…あの、俺は…」


「いいんだ!俺、決めたから!」


戸惑う俺と対象的に、スッキリした表情の祐希。


(決めたって…)


「何を?」

…何か、嫌な予感がした。

「やっぱり、どう思われても、お前が好きだから、時間をかけてお前をオトすって!」


―祐希は俺様性格だった。

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