《MUMEI》

「何か心境の変化でもあったのか?」

なんて、白々しい質問をされた。

どうやら藤原は、奈々が引越して来ることに対して意識しているんだろ。………そう言いたいみたいだった。

せっかく男と女の友人論を語ったのに効果はなかったようだ。まぁ理解出来ないということも計算の内に入ってはいるが、残念だ。とりあえず適当にあしらっておこう。

「家が綺麗だといいだろ。やっぱり家ってのはこうじゃないとな」

「何だか俺には違和感があるけどな。落ち着けなくなっちまったよ」

ここは俺の家で藤原の意見など聞いてない。というか、気になったので聞いてみた。

「藤原も一人暮しだよな。もしかして俺の掃除する前より汚い部屋に住んでるのか?」

「まさか。掃除したお前の部屋より綺麗だよ」

はっきりそう言われた。確かに藤原はダラダラとしたイメージが強いが、きちんとしているところは本当にきちんとしている。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫