《MUMEI》 お月様. 「いつになったら僕の気持ちは伝わるのだろう…」 土曜日の夜。 この日は、あの雨の夜からちょうど一週間が過ぎようとしていました。 頑張った皆あって、ねこを縛る縄は段々と解けてきていました。 しかし、ねこはもうこれ以上解く事が出来なくなっていました。 ご飯もろくに食べず、ずっと鳴き続け頑張ってきたねこの体はボロボロで、痩せ細ってしまっていたのです。 ねこはもう限界でした。 「今日は何だかとても疲れました。」 ねこは丸いお月様に話し掛けます。 「明日、また頑張りますね。」 『おやすみなさい。』 お月様の声が聞こえた気がして、ねこはにっこり微笑みます。 それは久しぶりの笑顔でした。 「おやすみなさい…。」 ねこは小さく呟くと、静かに眠りにつきました。 . 前へ |次へ |
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