《MUMEI》 空のねこ. ぷかぷか、ふわふわ。 次の日の朝、ねこは空に浮かんでいました。 眼下に広がる、何処までも続く地上の世界。 そこはねこが想像していた以上に広大で、様々な色が存在し、 小鳥の言っていた通りの美しい世界があったのです。 「すごい!これが地上の世界?僕が憧れた…。」 気付けば邪魔だった赤い首輪も、自分を縛りつけていた大嫌いな縄も消えていました。 「僕は自由になったんだ!やった!やったぁ!」 ねこは思う存分走り回り、跳びはねたりと大はしゃぎです。 けれどねこは知っていました。 夜になればお月様が自分を迎えに来る事を。 この自由が、今日一日だけだという事を。 あとは【無】になるという事を。 それで構わないのです。 ねこは自由の意味を 猫を知ったのですから。 ―終― 前へ |
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