《MUMEI》
狂気の発明品・・結末
「ほぅ・・そなたがコレを造ったのか。」
その人物は自身に直撃したごまの義腕を律儀に拾って持って来ていた。
いつも顔を隠すために被っていたフードが破れ素顔が見えている。
「「・・・・・」」
アイズ、式夜は顔を背けている。
「・・なんで拍手の一つも無いのかな?」
ようやく周囲の状況を見るエミ。
「あれ、ハンディング頬が腫れてるみたいだけど・・彩にでも叩かれたの?」
ハンディングの右頬は確かに叩かれたように赤くなっている。
「・・・・・」
無言でエミを見るハンディングの左眼は紅く染まっている。
「こんな時に喧嘩するなんて子供じゃ無いんだから、少しは考えなきゃダメだよ。」
ドッ!
高速の蹴りがエミの胴体を打ち抜く。
「そなたがソレを言うか!!」
蹴り足を下ろし怒鳴る。
「いったぁ・・何すんの!!」
怒鳴り返すエミ。
そこに掌打の連撃が走る。
「わ、わ、わ!!」
必死にガードするエミを次第に追い詰めていくハンディング。
ゴッ!!
ハンディングの掌打がエミの顎を打ち、エミの体が僅かに地面を離れる。
「八掛、双撞掌。」
ヒュっと鋭い呼気と共に両の掌でエミを吹き飛ばす。
ハンディングは吹き飛ばした勢いのまま手を上げ魔力を収束して・・
「ハンディングさん、待ってください、やりすぎです!!」
慌てて式夜が間に入る。
「・・・すまぬ、我としたことが・・」
我に返ったように集めていた魔力を周囲に拡散させる。
「きゅ?こっちの回路に魔力を通したらどうなるのかな??」
ズドオオオン!!
転がっていたごまの義腕が派手に爆発した。
「・・・・・・」
爆発は派手なだけで特にダメージは無いが・・テントは半壊、中に居たハンディングや式夜、ごま、アイズは煤で黒く汚れていた。
爆発音に驚いた周囲から守護騎士たちが集まって来るが・・
「のう、式夜。」
「腕の一本くらいは良いような気がします・・」
「ちょっと・・ぐらいなら良いですよ。後で包帯で縛り上げ・・じゃなくて治療はしますから。」
ごまは眼を回して倒れている。エミはようやく立ち上がった所。
ズドン!ズドン!
二条の雷が正確にエミを打ち据えた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫