《MUMEI》

花から出てきたのはとても綺麗な人だった。
その人は薄い緑色のワンピースのような服を着ていた。


「あら、エゼル…やっとあそこから出れたようね。」

綺麗な女の人は歌うようにしゃべった。



「おう。コイツが出してくれたんだ。」

エゼルは私を指した。

「あら、人間じゃないッ!どうして人間がいるの?」


その女の人は私の顔をまじまじ見ながら言った。


「あのッ。私、沙羅って言います。」


こんな近くでこんな美人としゃべるのは緊張するらしく、私はカチカチに緊張しながら自己紹介した。

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