《MUMEI》
お嬢様…だよな?
(ここって…)


「らっしゃい!」


俺達が入ったのは、祐希の行きつけのラーメン屋。


味は最高だが、店内はせまくて、お世辞にも綺麗とは言えない。


客も、仕事帰りのサラリーマンが多かった。


「おい」

俺は小声で祐希に声をかける。


はっきり言って…
女連れで来る店ではない。

高山の家は、高級飲食店をいくつも経営している。
高山は、『お嬢様』だった。


俺は、高山をチラッと見た。


「ここ、美味しいですよね」
「へ?」


俺の予想に反して、高山は上機嫌で、テーブル席に座った。

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