《MUMEI》
カラオケ
「よし、歌うわよ!」

カラオケボックスに移動し、部屋に入ると、高山は、ソファーの奥に座った。

そして、嬉しそうに曲を選び出す。

(本当に好きなんだな)


俺は、少し間を空けて、高山の隣に座る。


その俺の横に、ぴったり寄り添うように、祐希が座る。


…近すぎる気がする。


「おい、祐希」
「ん?」


横を見ると、祐希の顔が近付いてきた。


「ちか…ん…ん〜!」


近いぞと言おうとした俺に、祐希が強引にキスしてきた。


(ちょっと!)


俺は、必死で抵抗する。


しかし、力では、とても適わない。

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