《MUMEI》
とりあえず友達
六月下旬。

季節は、春から夏になろうとしていた。


俺と祐希と高山は、月に二〜三回会って遊んでいた。

高山は、平日は駅前のビジネスホテルで働き、週末は、例のリゾートホテルでバイトをしていると言う。


「大変だな」
「そうでもないわよ。働く時間短いし」


実際、いつ会っても、高山は元気だった。


ボーリングでは、高山対俺達で、勝負した。

女だからと、ハンデを10ピン付けたら、8ピン差で負けて、祐希が悔しがっていた。

負けた方が夕飯をおごる事になっていて、俺と祐希は財布の中身を確認しつつ、ビクビクしていたが…

高山が選んだ店は、早くて安くてうまい、某牛丼屋で、安心した。

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