《MUMEI》

「祐希さ…」
「ん?」


「さっき、途中で、何、考えてた?」

「え?別に?」


祐希が右手で頭をかく。


…嘘をつく時の、祐希の癖だ。


「…祐希?」
「はい…」


つめゆる俺に、祐希はチョコンと正座をした。


叱られた、大型犬。

犬耳の、幻覚が見えた。


(いけないいけない)


可愛いからと、ここで、甘やかしては、いけない。


「…考えてた」


祐希が、消えそうな声で、ポツリと白状した。

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