《MUMEI》
自由束縛
 
―――おや?
怖い物見たさにワラワラと人が集まって来ましたよ。

そう言えば彼、頭から落ちましたね。頭の形は殆ど残ってません。

見て下さい。赤い絨毯が彼を中心に広がっていきますよ。
それは命の結晶。彼の身体からとめどなく溢れ出してきます。
彼の一部であった色々なモノが飛び散っています。
流石の私も、これは直視して気分が良い物ではありません。

―――さて
彼の最後も確認しましたし、私の仕事は終わりました。
しかし残念ながらノンビリしてはいられません。
次の仕事が待ってますので。




今日も、何処かで、誰かが走馬灯列車に御搭乗されます

ゆっくりとゆっくりとしたペースで列車は終点へと向かいます

ゆっくりと、ゆっくりと
その人の今までの人生を映し出して

ゆっくりゆっくり
走馬灯列車は死のレールを走って行きます










御愛読ありがとうございました

【自由束縛】はこれでオシマイです。

彼に救いはありませんでした。
もしかしたら、アナタもいつかこの『走馬灯列車』に搭乗するかも知れないですね。

その時は、私、アナタを歓迎致しますよ……………………







End
 

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