《MUMEI》
ようこそ白鳥相談事務所へ
 
 
「来栖市内の全ての学校から探し出して殺れって言うの!? 3日以内に?」

「そうみたいですね―――え? 断ります?」

「ハァ!? 断わらないわよ!」

バッと振り向き、肩まで伸びてる金色の髪を乱しつつ「ウゥー」と社長は俺を睨み付けてくる。
………別に俺が悪い訳じゃないですけど。

「これはクソ蒼からの挑戦状よ!!
 こんな期日に間に合わなそうな仕事寄越してアタシに恥をかかせるつもりなんだわ!! そうはいくか! あのババァ!!」

………何だか凄い言われようだが、社長はやる気らしい。
きっと内藤さんは今頃、大きなクシャミをしてるに違いない。

「そうですよ社長。俺達が3日以内にこの仕事をこなして蒼さんをガッカリさせてやりましょう!」

俺は決意も新たにFAXを見る。

既に足元には大量の白い紙
まだ紙を吐き続けるFAX

うん先が見えない。未来が見えないよ。

「―――駄目かも知れない」

ポカンとスリッパを投げ付けられた。
………どうやら自分に退路などは用意されて無いらしい。




 

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