《MUMEI》 覚醒私の中の他人が目覚めた時、私は私ではなくなった。 私は抵抗することも出来はしなかった。 彼が目覚めたあの瞬間、私達の破滅は始まっていたのだ。 私は消えたくなかった。 でも、仕方の無いことなのだろう。 私は、たくさんの人を殺したのだから。 私の命だけでは贖罪など出来ないだろう。 なら、地獄に堕ちた後も、罪を償い続けよう。 もっとも、この魂ごと消滅してしまえば、それも出来なくなるが。 ◇ キャンプファイヤー。 周りの木は燃えていく。 彼女の力は目覚めた。 同時に、彼は生まれた。 一つの体に、二つの人格。 そして彼は、火を放った。 次々と燃えていく物体。 彼は嗤う。 キャンプファイヤーは消えかかり。 彼は眠る。 最初から目覚めてはいけなかったのだ。 それは力か、それとも彼か。 意識を取り戻した彼女。 悲鳴が宵闇を切り裂き。 彼女は再び意識を失った。 前へ |
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