《MUMEI》
その日に限って…
高山からメールが来て、三日後の、夕方。


「…くそっ」


必死で走る俺がいた。


…今日は、久しぶりに三人で会う事になっていた。


(遅刻だけはしないようにするつもりだったのに…)

しかし、家を出る時点で、既に待ち合わせ時間を過ぎていた。


原因は、妹のせいだった。

俺が玄関で靴を履いていると、宅急便が来た。

妹の荷物で、よりによって、代引だった。

しかも、妹は留守。

金額が高額だったので、払えない俺は、妹に連絡した。

『代金は、居間の引き出しに用意してあるから』

(早く言えよな…)

俺は、ちょっといらついた様子の宅急便のおじさんに、代金を支払った。


俺が東口の階段下に着いた時、祐希からメールが来た。


ちなみに、待ち合わせは表口に当たる西口階段下。


裏口に当たる東口には、大型駐車場・公衆トイレ・自販機・コンビニがある位だった。

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