《MUMEI》
†オープニング 碧星のヒカリ†
 † 碧星のヒカリ †


     刀@    

蒼かった、今日の夜は…。

花に囲まれた中庭は、月に照らされた湖の様に神秘的に煌めいていた、

少女は毎晩、中庭で父親と花を見ながら話をするが、今までこんな夜は初めてだった。

今日はなんだか白い花達がせつなそうに見える、


そのせいか、父も何故だか寂しそうな目をしていた。

「お父さん、どうしたの?」

「ん、 どうしたんだい、いきなりそんなこと聞いて………。」

花がそよ風に揺れる……。

「なんだか、お父さん寂しそうだったから…。」

「少し昔の事を思い出してしまってね……。別にたいした事はないよ。」

「ふーん」

少女の摘んだ花が一摘みゆらゆらと落ちる……。

「ミーナが大きくなったら話してあげるよ…。」

月に照らされ、少女は天(そら)を見る

「それじゃ、お父さんはもう寝るね……。」

「ちょと待って……、お父さん…、お父さん……?」



振り向いて見た父親の背中は、何かを背負ってるように見えた………。

少女はその頃……、


何も知らず…、

何もなくさず……


何も知らぬ人々は優しかった………。

……少女は知らない、
これから起こる事も、
これからする事も、

世界の真実を…………。




朱く染まった白い花
虚空を見る人の瞳



人の心に在る物を……。





「……綺麗…。」

その時、少女の前には……

ヒトスジのホシノヒカリ
しかなかった………。


「いつまでも、変わらないで…………。」



伸ばした手には、
蒼い燿(ひかり)と……。





第一燿 本編につづく

The First shining
The theme continue…

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