《MUMEI》

そんな貴子さんの心配をよそに、高山は、短大卒業後、高原と結婚した。


高原が、母子家庭だったので、高山の両親は、あまりいい顔をしなかったらしい。


高原は、中小企業の平凡なサラリーマンだったが、高山の両親は、それも不満だったようだ。


しかし、高原が高山の主治医に話を聞き、持病に理解を示した事が一番の決め手になったようだ。


それに、当時は今よりも薬の量が少なく、妊娠も可能だと医師から言われていた。


そして、二人の結婚生活が始まった。


最初は、地元のアパート。
この頃はまだ、問題は無かったらしい。


―事態が急変したのは、結婚二年目。


高原の、県外転勤に伴い、二人が県外のアパートで、生活を始めた頃。


高山22歳。
高原は30歳になっていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫