《MUMEI》 それは、平日の昼間の事。 たまたま休みだった大さんが、驚かせようと、突然二人のアパートを訪問した。 ―ところが。 チャイムを鳴らしても、呼びかけてみても、高山の返事が無かった。 心配になった大さんは、大家に頼んで鍵を開けてもらった。 そこには… 持病の発作で、意識を失い、倒れた高山がいた。 すぐに大さんは救急車を呼び、適切な処置をとった。 発見当時、高山の体には、明らかに日常的に受けていたであろう暴行の跡が多数見られた。 そして、検査の結果、高山は発作防止の為に毎日服用しなければならない薬を、少なくとも一ヶ月は服用していない事がわかった。 …この頃高山は、通院もしておらず、薬を高原がもらいに来るだけの状態だったが、その薬すら、買ってもらえていなかった。 前へ |次へ |
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