《MUMEI》 彼二階堂君は、学年一の秀才で、 あたしは2年生になって初めて、 彼と同じクラスになった。 雪のように真っ白な肌に、少し伸びた黒髪と、漆黒の瞳。 人形のように整った顔立ちが、 彼の非凡さをより際立たせているようで、 どこか、近寄りがたい印象があった。 窓際の後ろの席が彼の指定席で、 いつも彼は、外を眺めていた。 周りのもの全てを、『関係ない』と思ってるみたいに、 ―…退屈そうに、頬杖をついて。 あたしは、時々彼の視線の先を、 そっと追ってみるのだけど、 特に気をひくようなものは何も見当たらなくて。 ―…彼の瞳には、何が映ってるんだろう。 あたしはいつのまにか、 彼の視線の先を追うのが、癖になっていた。 前へ |次へ |
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