《MUMEI》 …なんで、俺の名前知ってるんだ…? 俺は目の前の少女を見下ろす。 …俺と同じ学校の制服だ。 アーモンド形をした瞳は大きく見開かれ、 腰まである色素の薄い茶色い髪は、 雨に濡れて静かに輝いている。 …なぜか、靴を履いてない。 誰だ? …ここで、何してんだ?? 困惑したまま立ちすくんでいると、 「二階堂君だよね?? …あたし、わかんないかな!?」 そいつは立ち上がって、おれに向かって微笑んだ。 俺は、短く言葉を発した。 「……誰だ?」 前へ |次へ |
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