《MUMEI》 俺は、その笑顔から逃げるように腕時計に目をやった。 時計の針が八時二十分を指している。 目を閉じて、大きく息を吸い込む。 「…どうしたの??」 心配そうな棗の声に、目を開ける。 俺は立ち上がって答える。 「…学校、行く」 「え!?雨降ってるよ? 二階堂君、傘は??」 …靴も履いてないやつに言われたくない… 前へ |次へ |
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