《MUMEI》
永久の宴
「何だよアイツ変な奴」

そう言うなりちよこは、変な気分の中、一人トボトボとおぼつかない足で
帰っていった。


ガラララ

古風な屋敷から引き戸の音だけが響いた。


『やぁ、遅かったね椿(つばき)』
玄関には、和服を着ている長身のこれまた綺麗な顔をした男が立っていた。

『何言ってんスか睡蓮(すいれん)さん、アンタが俺を2階からぶっ飛ばしたんでしょ。』

椿(少年)は、睡蓮を見上げるよいにして軽く睨み付けた。

しかし睡蓮は、睨み付けてくる椿を見て

『ククッ‥‥‥。』
と、嘲笑った。

まるで椿をバカにするかのように。

『椿、お前何時から俺を睨み付けるぐらい偉そうになったんだ?』

口元は、笑っているのだが目の色や睡蓮から出てくる雰囲気は、椿に恐怖を覚えさせる。

やっぱりコイツは危険すぎる・・・。


無意識に、背筋に緊張が走る。
口元もかたく閉じてしまう。


睡蓮は、ゆっくりと椿の近くへと行き、
椿の耳元で

『椿、前にも言ったろ?
お前の行動一つで大切な人がどうなんのか。あまり俺を怒らせるなよ?後悔する事になる。』
そう 低く囁いた

椿は、手の平に爪の跡が出来るぐらいに拳を固く握った。

『フッ‥‥‥。』
睡蓮は、椿のその様子に満足したのか、怪しい笑みを見せ、クルッと反対方向へと歩いていった。

『ちくしょッ‥‥‥。』

椿は、拳を握ったまま
悔しい顔をした。


誰もいない殺風景な廊下
『‥ククッ‥‥‥。』

睡蓮の声だけが廊下に広がった。

(ぜってー逃がしゃあしねぇよ。たとえお前がボロボロになろうともな)

潤いを知らない渇ききった俺の心。

埋められない気持ちは、怒りとなって溢れてくる。独りなんて俺には、怖すぎる。


だから俺は、永久の宴を願う。

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