《MUMEI》

(で、これで何が…)


ポッ


(…は?)


ポポポポポポ〜!


(はぁぁ〜?!)


「た、高山〜?!」


プシュ〜!


高山は、自由な右手で掛布団を掴み、顔を隠した。

左手は、俺に掴まれたままの状態だ。

掴んだ手首から、異常なまでの高山の脈拍が、俺に伝わってきた。


「え…と、はな、して?」
「…」


掛布団の隙間から、僅かに顔半分を出して頼まれても、俺はしばらくその手を掴んでいた。

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