《MUMEI》

―わかりやすく状況を説明すると。


俺と目が合った途端、高山の頬が染まった。


そこから一気に顔全体が赤くなり、まさに、ゆでダコ状態。


(あれに似てる)


俺は、某仮装大賞の得点ランプを思い浮かべた。

一点が付いたと思ったら、一気に合格点越えて、満点。

まさに、そんな感じだった。


(…可愛い)


俺はちょっと悪戯したくなった。


「高山の手って柔らかいのな」
「!」

硬直している高山の手の平を、俺の頬に添えてみる。

実際、想像以上に高山の手は柔らかく、やっぱり男女で感触が違うと実感した。

「もう、はなして…」

言いながらも、高山は俺の手を振りほどこうとはしなかった。


「慎」

祐希に促され、俺は渋々手を離した。

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