|
《MUMEI》 その時、病室の出入口から、拍手が聞こえた。 「おぉ、さすが。見事に剥がれてる」 「…」 高山は無言で、頬を膨らまし、うらめしそうに貴子さんを見つめた。 「…誰?あの、迫力美人は」 「高山の妹」 「あぁ」 『高山秀の美人の妹』だと、祐希はすぐに理解した様子だ。 「貴子ちゃん、ひどい」 「ひどいのは、お姉ちゃんの化け猫かぶりでしょう?」 貴子さんは高山に歩み寄ると、『いつもの高山』の笑顔で、高山の額をつついた。 「こちらが屋代君、ですよね?はじめまして、妹の貴子です」 「はじめまして。…似てるね、さすがに」 「当たり前ですよ！」 貴子さんが大声で答えたから、俺達は驚いた。 それから、高山を睨むと、マシンガントークを開始した。 前へ |次へ |
|
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |