《MUMEI》

「お金が足りないとかですか?」

藤原は金に困っているというようには見えない。バイトをして十分過ぎるほど資金はある。それでも不満があるとはっきり言った。その不満が何かは教えてくれなかった。

「お金以外で何かないかな?」

「うーん。難しいですね。自分の家を嫌いになる理由を考えれば良いんですよね。部屋が狭いとか、騒音がするとかそういうことぐらいしか思い付かないです」

「騒音か………そうか周りの人の影響を受けるということもあるな。そういうことかもしれない」

再び奈々は首を傾けた。そんな動作が何故こんな質問したのかを教えて欲しい、そう言ってる気がしたので、藤原とこの前した話しを聞かせた。

「理由はないけど不満はあるって言ったんですね。それじゃあ…………騒音とかそういう問題じゃないかもしれないですね」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫