《MUMEI》
出会い
しばらく,どうして良いか分からず俺はその場に立ち尽くしていた。


「こんにちは」


後ろから声がした気がする。


ヤバイ、幻聴まで…


「ちげーよ,おはようだろ?」


「あ,そっか」


どうやら,「幻」と「聴」が会話してるらしい。


「あ゛――」


と言いながら耳を高速で開けたり塞いだりした。


もちろん指でだぞ?


怖いだろ,勝手に耳が動いたら…。


「彼はかなりの重症なのですね」


「おい,聞こえるだろ?」

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