《MUMEI》
有華と絢
松島絢は、



深夜の電車の中にいた。



ケータイを開く。



…11時を過ぎていた。



なのに、私が降りる駅までは



まだ遠い。



暇なので窓の外を眺めてみた。



やけにネオンの光が輝いて見える。



まるで“そこ”にいるのを主張しているように…。



淋しい風景だな、とふと思った。







「ぐうっ…。」



私の肩に寄りかかって寝てるこの女



―見た目は明るい茶髪に目の周りは真っ黒で、かなりのミニスカートを履いているギャルと呼ばれる感じのヤツ―



…たぶん高校生くらいだろう。



同じくらいには見えないが…。



「あのぉー、すいません。起きてください。」



…邪魔だ。



「…誰あんた?」



女が起きて発した第一声。



…嫌、嫌っ!!
こっちこそ聞きたいし。



「松島です。」



「ふーん。どうでもいいけど。」



自分から聞いといて…



どうでもいいはないだろ…。



そして、



女はまた寝た。



私は、自分が降りるべき駅に着いたので電車を降りた。



…家には12時には着くだろう。



そう考え歩き出した。



その時、



「松島さ〜ん?」



この声は…



「松島さんだったよね?」



今さっきのギャル女。



「はい…?」



「今日泊まるとこないから泊めて?」



…はぁ?



「…いやです。無理です。」



「いーじゃん!!友達じゃんっ。」



いつ友達になった?!



「あたし、長谷部有華。よろしくっ松島さん。」



手を差し出すギャル女・有華 。



「はぁ…今日1日なら…。」



「ありがとっ。」



運命なんて信じてなかった。



まぁ、今も信じてないけど…。



ついでに、これが私たちの最悪で最高の出逢いだったり。



「松島さんって下の名前ナニ?」



家への狭い路地を通ってる時、有華が言った。



「…絢だけど?」



「あぁ〜…ふーん…。ついでに何歳?」



「16歳。あっ、もうすぐ17歳になる。」



家が見えてきた。



変な人(←有華?)を連れてきて、親に怒られないか心配になってきた。



「えっ?マジ?偶然〜あたしも今年17だよ〜タメじゃんっ!!」

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