《MUMEI》

「遅い!」
玄関に着くと、いきなり怒られた。


「「はぁ…」」

俺と祐希はもう、わけがわからなくなっていた。

(高山兄妹パワー、恐るべし)


俺達は、有無も言わさず貴子さんの車に乗せられ、志穂のマンションまで連行された。


そして…

ガチャッ

貴子さんの監視の元、志穂の部屋の鍵を開け、中に入った。


「じゃあ、私帰るから、ここでお姉ちゃん待っててあげて下さいね」
「「はぁ…」」

俺と祐希は、さっきから、同じリアクションを繰り返すばかりだった。


「はい、これ!」

貴子さんは、帰り際、大きめの袋を俺に手渡す。

俺は、その中を確認してみる。
祐希も気になる様子で、覗き込んできた。

「「マジかよ…」」

俺達は、また同じリアクションになってしまった。

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