《MUMEI》
宿泊
それから一時間後。

貴子さんが置いていったペットボトルのお茶がいよいよ無くなり、俺と祐希がどうするかと顔を見合わせた時…

ガチャリッ

玄関が開き…

「ただいま…です」

恐る恐る、志穂が顔を出した。

「「…おかえり」」

一応、俺と祐希はそれだけ言った。

(あれ?)

今、志穂、鍵を開けて入ってきた…よな?

「お前、…鍵?」
「…それ、スペアキー」

(あぁ…)

納得。

それくらい、普通はあるだろう。

「何か…ごめんね。いろいろ」
「本当だよ」

祐希が口を開いた。

ピンポーン

その時、玄関のチャイムが鳴った。

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