《MUMEI》
小さな万華鏡
小さな町の外れにある小さな骨董品屋。

それは不思議な不思議なお店。魔法使いのおばあさんが魔法の道具を売るお店。








ある日、りおは家出をした。

お母さんにしかられたわけでもなく

四歳になる弟が泣きわめいたわけでもなく

飼ってる猫に引っかかれたわけでもない。



生きてる意味がよくわからなくなったから。

それだけじゃなくて

何で生まれたのかも
何が楽しいのかも
何で頑張らなきゃいけないのかも
全部わからなくなってしまったから。


しばらくひとりで考えなくちゃ
と思って家出をしたりおは、とにかく歩いた。


歩いて歩いて


夕日が沈む頃になって


町外れの小さな骨董品屋の前まで来た。

見落としちゃうくらいの小さな入口。ショーウインドーには綺麗なエナメルの靴、レースの傘、ひびが入った小さな手鏡、ビーズでできたバッグ、金のスプーン、持ち手の欠けたティーカップ、カラスの羽、硝子の香水瓶…


高価なものからゴミみたいなものまで所狭しとならんでいる。


りおには何を売るお店なのかちっともわからなかったけれど

行くところもなく暇だから、と扉を開けた。



カランカラン…

扉の端についていた鈴が音を立てると


「は〜い、いらっしゃい」

ちょっとかすれた声がした。
出てきたのは少し腰の曲がったおばあさん。


「あら、小さなお客さま。いらっしゃい。」

おばあさんはりおの顔を見てにっこりと笑った。

小さなお客と言われてりおは少しむっとして言った。

「失礼かもしれないけど、おばあさんは魔女みたい。」


魔女はクスクス笑って言った。

「よく言われるわー。ミステリアスで素敵よね、魔女って。」



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