《MUMEI》 俺は、志穂の手首を掴んだ。 入院生活が長かったせいか、志穂の動きにいつものキレや力強さは無かった。 「…っ」 「いつかの逆、だな」 悔しそうな志穂を見て、調子に乗った俺は、… ダンッ! もう片方の手首も掴み、志穂を壁際に追い詰めた。 「な…に…?」 志穂が、不安気に俺を見上げた。 「ん? せっかく俺を男として見てくれたから、サービスしようと思って」 俺は、志穂の両手首を片手で志穂の頭上に押しつけると、自由になったもう片方の手の親指で、志穂の唇を撫でた。 「『初恋の君』と間接キス、してみる?」 すると、志穂が俺の足の間に自分の足を絡めてきた。 ―そして… 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |