《MUMEI》 「…じゃ、俺、寝るわ。その、悪かったな…いろいろ」 俺が謝ると、志穂は… 「…忘れてあげるわ。そのかわり、今夜の事は、慎君には、秘密にしてね」 と答え、唇に人差し指を当てながら、笑った。 「あぁ、おやすみ」 元々、俺は慎には話す気は無いから、頷いた。 「おやすみなさい」 (疲れた…) 俺は、部屋に戻ると、『お泊まりセット』の下着とTシャツ・ジャージを身につけた。 ベッドの慎も、いつの間にか同じ服装で寝ていた。 おそらく、肌寒くなり、無意識に着替えたのだろう。 慎は、いつも、そうだから。 慎がベッドを占領するように、気持ち良さそうに真ん中で寝ていたので、俺は仕方なく、床に敷かれた布団に入った。 目を閉じると、志穂の顔や胸元の痛々しい姿が浮かんでしまい、俺はなかなか寝つけなかった。 前へ |次へ |
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