《MUMEI》 朝―翌朝。 俺は、ダブルベットの上で、目を覚ました。 「ん〜、よく寝た〜」 手足を大きく伸ばしてから、俺は、寝返りをうち、壁の時計を見た。 体の疲れは充分とれた感覚があるのに、時刻はまだ六時だった。 いつもの俺の休日の起床時刻としては、早すぎる時間だった。 しかし、昨晩は寝たのが早かったから、俺は、少なくとも、六時間は寝た計算になる。 (あれ?) ふと、視線を下におとすと、布団に膨らみがあった。 それは、頭から掛布団をかぶって寝ている祐希だった。 俺は、それを、祐希なりに、昨日の強引な行為を反省しているのだろうと解釈した。 起こさないように、俺は祐希の体をまたぎ、部屋を出た。 前へ |次へ |
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