《MUMEI》

全くもう…変な時間に起こされた。




てかおやすみだなんて俺が寝てたの分かっててかけてきやがったな!




冷蔵庫から牛乳を出してパックごとがぶ飲みしてやる。



牛乳は安眠成分入ってるらしいからまた寝つく為に。





「全くよー、他の奴ならブチ殺してるぞ!てか、すっかり惚れられてんの自覚しての犯行だもんなー、あんのクソガキが…」




やっぱスゲー腹立ってきた!
帰ってきたら速攻かっさらってやる。





気持ちの整理がしたいから別れて欲しいだなんて自分から言っときながら、たかだか一週間目で電話がかかってきた。





声聞かないと死んじゃうだなんて可愛いく言われて、じゃー気持ちの整理はついたのかと尋ねるとまだまだだなんてぬかしやがった。




それからは箍が外れた様にお互い電話した。





お陰で今までお互いを知らなかった事がよく分かった。






アイツはお笑いが好きでドラマなんかろくすっぽ見たことがないとか、高校出てから2ヶ月だけ母親のコネで宝石屋に勤めて、スーツ着てた事とか。





母親が店長なのもあって、店内のものは定価の6割以下で手に入るからつい珍しいアクセが入荷すると買ってしまうらしい。




他にも、子供の頃いじめられていた事、


…父親の事まで自然に話てくれた。






お陰で俺も過去、長く付き合っていた女の話までさせられた。





自分から聞いてきたくせに焼き餅妬いて勝手にムカついてたのは結構笑えたが。




大学時代の話、どうして俳優目指したのかとか、一つ上の兄貴の話まで…。





直接会ってる時はついエッチになだれ込んであんまり話らしい話もなかったから、まーこれも俺達には良い期間なのかなって、そう感じる今日この頃…?






いや、もう良いって!



もう我慢出来ねーって!





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