《MUMEI》 「手作りケーキなんてすごいね」 「…そんな事無いよ」 俺がほめると、志穂が照れてうつむいた。 以前志穂のマンションに泊まった時の朝食で出された、志穂の手作りの和食は結構美味かった。 綺麗に整頓された部屋の様子と言い、普通に、志穂は女性らしいと思う。 「そうだ!俺、今年、イブは夜勤になりそうなんだよな」 祐希が思い出したように言った。 「そうなのか?!」 夜勤という事は、クリスマスの午前中まで、祐希は仕事だ。 「うん。でもさ、23日の祝日は休みくれるんだよね。 だから、その日、クリスマスしよう、慎」 「…うん」 (それならいいか) 俺は納得した。 前へ |次へ |
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