《MUMEI》 「…私が、クリスマスという『恋人達のイベント』を、慎君と祐希君が二人で過ごすのを、ちゃんと認めてるかどうか…」 「…今更じゃないか、それ?」 志穂は俺達のキスシーンも見てるし、…いくら見られてないっていっても、志穂のマンションで、あんな事したし… 「…心配なんじゃない?慎君が好きなのよ、それだけ」 俺が志穂の言葉に照れていると、祐希が戻ってきた。 「…何で、慎が照れてるわけ?」 祐希が不機嫌になっている。 「カラオケ行ったら教えてあげるわよ」 そう言うと、志穂は俺と祐希の腕を掴んで、歩き出す。 最近、志穂はこうやって、『友達』として触るなら、平気になっていた。 フフッと、志穂が笑って言った。 「両手に花、ね」 ―と。 その笑顔に、俺は、… (お前の方が、花だよ) と思ったけど、祐希を気にして言葉にはしなかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |