《MUMEI》

こちらも、クリスマスカラーだった。
ただし、志穂がくれたのと、色合いが逆で、赤い封筒に、緑のリボンが付いていた。

(…あ、しまった)

俺は、一人だけプレゼントを用意していない事に気が付いた。

俺が二人にその事を伝えて謝ると、二人は同時に微笑んだ。

「いいのよ、慎君は」
「そうそう」

?

俺は納得出来ないでいたが、志穂はそのまま帰ってしまったし、祐希もチキンを取りに行くからと、部屋を出てしまった。

(祐希には、チキン代払うにしても…)

志穂にも何か返さなきゃと、俺は考えていた。

志穂から受け取った箱には、テレビや広告でしか見ないような、切株の形のプロ並なケーキが入っていたから、尚更そう思った。

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