《MUMEI》
同じプレゼント(祐希視点)
俺のアパートは鉄筋コンクリートの三階建てで、俺の部屋は三階にある。

俺は慎と食べるチキンを買うと言って、志穂と一緒に部屋を出た。

―と言っても、志穂は、扉の前にいたから、俺の部屋には入っていないが。

部屋の前の通路から、階段に差し掛かるところで、俺は、志穂に話があると声をかけた。

下には、志穂の妹がいる。
だから、俺は素早く志穂から受け取ったプレゼントの封筒を確認した。

そして、苦笑する。

「…何? 気に入らなかった?」
「いや、俺の、開けてみろよ」

志穂は、眉間にしわを寄せたまま、俺から受け取った封筒を開いた。

そして、俺と同じように苦笑した。

「…な、笑えるだろ?」
「まぁ、ね。でも、これ、本当にいいわけ?」

志穂が中身を見ながら、訊いてきた。

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