《MUMEI》

どうすればいいのか。

一体、どうすれば、俺も、祐希も、志穂も幸せになれるのか。

二人は、決めるのは俺だと言った。

俺は無言でずっと考え込んでいた。

隣の志穂も、無言だった。
それから、俺達は電車を降りた。

駅から遊園地までは、無料のシャトルバスが出ていた。

「慎君、大丈夫?
やっぱり、…帰ろうか?」
俺の様子を気にした志穂が、心配そうに声をかけてきた。

「大丈夫」
俺は、できるだけ自然な笑顔で答えた。

(そう、大丈夫だ)

まだ、『お試し期間』中なのだから。

(きっとあるはずだ)

三人が、幸せになる道が。
俺は、それを探す。

探してみせる。

そう、心に誓った。

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