《MUMEI》
安住の日和
「夏川行っちまうぞ。」

平高に促された。

「いいよ、言うことないし。借りは返したから。」

俺は虐められていて一緒になって虐められても夏川は見捨てないでくれていた。


それだけだった。

俺が居眠りしている隙に執拗に唇に触れてきたことも全て返した。

それで十分だ。

「夏川が言ってた。」

勿体振るな。

「……なんて?」

「伝えといて。あんな性悪俺にはよろしく出来ねーって」

あんなって、俺か?

「ちくしょ……覚えてろ……!

…………ああもう、……もう……          ありがとう・な!」

平高なんかに言いたくもなかったんだけど……。
それどころじゃない!
夏川の家、家だ。行こう。



俺って以外と単純明快。


なつかわ、


ごめん…………


助けてくれてありがとう、ありがとう。




「な、つか わ……君……いま……す……か」

熱い、夏川のおかーさんだ……。


「佐藤君?待ってね、今呼ぶから。」

すっからかんの玄関。

夏川のおばさんちょっと老けた。

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