《MUMEI》 「ここからは、ちゃんと答えろ」 「今までも、答えてる」 志穂の言葉に、俺は更にいらついた。 志穂の両肩を掴む。 「…わけわかんね〜よ。好きだけど付き合えないってどういう事だ?!」 俺は、志穂の肩を揺さぶりながら、問い詰める。 「…好きだから。だから、…付き合いたくない事だってあるの! だから、慎君と祐希君の関係知った時、 …ショックだったけど、嬉しかった。 こんな…私でも好きな人の幸せを手伝えるって 大体、慎君には、祐希君がいるからいいじゃない!」 「よくない!」 俺は志穂を自分の方へ引き寄せ、抱き締めた。 「…? 何、?」 突然の事に、志穂が硬直する。 「よくない。俺は、…お前も好きなんだ」 「何それ!」 志穂の声は、動揺していた。 「俺も、わかんないよ! わかんないけど、好きなんだよ、お前も、祐希も…」 「…はな、して…」 志穂の言葉に、俺はゆっくりと腕をほどき、志穂から離れた。 「私、…帰りは、貴子ちゃんに迎えにきてもらうから… この時間なら空いてるって、言ってたし…」 「そっか…」 俺は、引き止めなかった。 その後、俺は、一人でバスと電車を乗り継いで、帰宅した。 前へ |次へ |
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