《MUMEI》 ・・・・ナマケモノ「守護騎士用」と書かれたテントへと入る。 「あ、副団長。どうなさいました?」 バンプに気がついた医療士が声を掛けてくる。 「彩の様子を見に来たんだが・・」 「あ〜・・今は行かない方が良いと思いますよ?」 医療士は微妙な表情を浮かべている。 「何か、問題でもあったのか?」 「いえ、体の方は問題ないのですが・・」 医療士が言葉を続けようとして・・ 「やめっ、やめてください!!怪我人なんですから大人しく眠っていてください!!」 式夜の声が響く。 「ぐ〜ぐ〜」 「寝たフリをするならもうマシな・・」 ほら、と言うように医療士が苦笑する。 「すまないが、少しココで待っていてくれ。」 後ろについて来ているセイと禾憐にそう言うと彩詩と式夜が居る病室へ入る。 「なんの騒ぎだ・・」 部屋に入ると式夜が寝たフリをしている彩詩に文句を言っている所だった。 「あ・・・主人の様子を見に来たのですが、その・・」 モゴモゴと何かを言いながら椅子に座る式夜。 「まぁ、いつもの事か。彩、報告があるんだが。」 やれやれと肩を竦めながらシーツに包まっている彩詩に声を掛ける。 「ぐ〜ぐ〜」 「現状を説明すると恐らくコーリアであろう集団がこっちに向かって来ている。」 「すやすや〜」 「危険だと判断して、皇国へ住民含め、全員で避難する事になっている。」 「zzZZZ・・・」 「で、後ろの二人なんだが、ネスフェリン皇国からの使者で、セイと禾憐だ。」 後ろを振り返る動作をする。当然後ろには誰も居ない。 「ちょ・・そういう事は最初に!!バンプだけだと思ってたのに!!」 ガバッと起き上がる彩詩。 いかにも寝起き姿・・ 「式夜、外見だけで良いから整えておいてくれ・・」 それだけ言うとバンプは病室を後にする。 前へ |次へ |
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