《MUMEI》 (でもな…) 俺は、ゴロンと寝返りを打つ。 祐希に対する好きと、志穂に対する好きは、どちらも『恋人』としての好きだ。 ―だけど、俺の中では、全然、別次元の『好き』なのだ。 俺は、祐希に抱かれるのは、好きだ。 でも、反対に、仮に祐希が望んでも、抱く気にはなれない。 俺が、『男』として、抱きたいと思うのは、おそらく志穂、だ。 今日、キスしてそれを実感した。 逞しい、祐希という男に抱かれたい俺。 柔らかい、志穂という女を抱きたい俺。 …どちらも、本当の、俺だ 前へ |次へ |
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