《MUMEI》

(でもな…)

俺は、ゴロンと寝返りを打つ。

祐希に対する好きと、志穂に対する好きは、どちらも『恋人』としての好きだ。

―だけど、俺の中では、全然、別次元の『好き』なのだ。


俺は、祐希に抱かれるのは、好きだ。

でも、反対に、仮に祐希が望んでも、抱く気にはなれない。


俺が、『男』として、抱きたいと思うのは、おそらく志穂、だ。

今日、キスしてそれを実感した。


逞しい、祐希という男に抱かれたい俺。


柔らかい、志穂という女を抱きたい俺。


…どちらも、本当の、俺だ

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫