《MUMEI》

もしも、祐希が女だったら、俺は、志穂を選んだだろう。

逆に、志穂が男だったら、俺は、祐希を選んだだろう。

しかし、現実は…

祐希は男で、志穂は女だ。
俺は、祐希だから、男同士で抵抗がありつつ、抱かれる。

女は、志穂ばかりではないけれど、志穂だから、抱きたいと思う所はたくさんある。

普通は、抱くか抱かれるかの立場でしかないが、俺は、どちらの立場にもなれる。


この、奇妙な三人の関係は、もう…ある意味…


「運命ってやつ、かな」

俺は、思わず、口に出して呟いた。

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