《MUMEI》
スマイル
数分後・・
病室内には彩詩、式夜、バンプ、禾憐、セイの5人が座っている。
「・・・それで、皇国の方と伺いましたが、何の用でしょうか?」
禾憐とセイに向かって営業スマイル。
彩詩の身なりはきちんと整えられている上、髪も綺麗に結わえてある。
「・・・・お初にお目にかかります。禾憐・尊です。」
見惚れていたのか、慌てて挨拶する禾憐。セイは隣で固まったまま。
「申し訳ありません、このような姿で。本来ならば礼装でお相手しなければならないというのに・・」
深々と頭を下げる彩詩。
「い、いえ。怪我してて・・仕方の無い事で・・気にしてません。気にしてませんから!!だから・・その・・頭を上げてください。」
完全に慌てている禾憐。支離滅裂な話し方になっている。
「お心遣いありがとうございます。」
止めとばかりにまたスマイル。
「・・あぅ、あぅ・・用件の方はバンプさんにお伝えしたので・・その、その・・お見舞いに来ただけで、失礼します!!」
ズダダダダ・・
凄い勢いで病室を後にする禾憐。
「・・・・・・オレも外で適当に時間潰しておく。」
ギクシャクと病室を出て行くセイ。その後姿を見送って・・
「ふぅ〜・・疲れた。」
ボスンっとベットに横になる彩詩。
「主人、髪を解きますので座っていてください。」
「ん、了解〜」
ベットから起き上がり椅子に座る彩詩。
「はぁ・・さっきみたいな態度の一割でも普段あればな。」
バンプも病室を出て行こうとする。
「・・・怪我、大丈夫か?」
「4割って所かな。無理は出来そうにないや。」
「・・・解った。」
頷くとバンプは病室を出て行く。

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