《MUMEI》 「酒より、こっちの方がうまいよ」 「…バカ」 俺は、祐希を睨んだ。 「ハイハイ。じゃ、今日は最後まで頂きます」 「さっきヤッたくせに」 祐希が合掌したから、俺は少しイライラした。 「何か…さっきから…ひゃっ…」 「ん〜?」 やけに『あの日』を祐希が強調している気がした。 志穂のマンションでの、『あの日』を。 しかし、祐希がローションを付けた指を俺の中に入れてきたから、言葉にならなかった。 やがて指は舌にかわり、祐希自身のモノになった。 「…ッ、あ、祐希…」 「慎、愛してる…」 「俺も…お前… も、 …愛してる…」 「…ッ…て、今…」 祐希は何か言いかけたが、俺は、達すると同時に意識を手放した。 ―今年最後の反省。 『うっかり告白は、よくない』 前へ |次へ |
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