《MUMEI》 「ん〜、身長は、慎くらいで、顔はアイドル系かな? 多分、年下だよ」 俺の胸がズキッと痛んだ。 次にこみあげてきた感情は、…志穂に対する怒りだった。 (何なんだよ、いったい…) 俺がちょっと触っただけで赤くなるくせに。 俺が好きだと言ったくせに。 『好きだけど付き合えない』って… 付き合ってる奴が… 『本命』がいたからなのか。 「慎? 顔、恐いぞ?」 「あ、…そう、か?」 俺の感情が顔に出てしまったようだ。 俺は慌てて健志に笑顔を向けた。 「…し…、高山さんとは、何回か会ったけど、彼氏いるなんて初耳だったから、驚いただけだよ…」 「そっか、ラブラブな感じだったから、付き合い始めたとこかもな」 健志の『ラブラブ』という言葉に、俺の胸がまた痛んだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |