《MUMEI》

「大丈夫か?気を付けて帰れよ?」
「ん〜」

俺は、ヒラヒラと健志に手を振って、千鳥足で、居酒屋から、家へと歩き出した。

冷たい風が、心地よかった。

ピタッ

無意識に、俺は、志穂のマンションの前に来ていた。
(…電気ついてる)

まだ志穂が起きている事を確認した俺は、志穂の携帯を鳴らした。

『もしもし』

聴こえてきたのは…

聞き覚えのない、若い、
…男の声だった。

「…」
『もしも… 』
「し」と言いかけた男の声より、遠い位置から、

『お風呂上がったよ』

と…
志穂の、声がした。

そこまでで、電話が一方的に、切れた。

(何だ?…今の…)

見上げれば、まだ、志穂の部屋には電気がついていた。

という事は…

部屋には、風呂上がりの志穂と、男がいるわけで…

そんな男女がすることといったら…

俺は、あらぬ妄想を抱いてしまい、頭を左右に振った。

(う…気持ち悪い…)

酔いが回り、吐き気が襲ってきた。

(もう、最悪…)

俺はその吐き気を何とか堪えた。

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