《MUMEI》
一筋の雫
結局それ以外なにも会話せずに帰宅時間になってしまった

部活をする生徒以外はもうほとんどいない

ミナヅキは最後に学校を歩き回っていた

思い出にあるのは
レイカのことばかりだ

体育館入り口
(ここでアイツ…転んだよな…笑)

屋上手すり付近
(屋上にいたら追いかけてきて、よくおせっかいやかれたっけ)

美術室
(たしか 絵が描けないからって俺の描いた絵を先生に提出してたな…こっぴどく怒られたが…笑)
理科室
(薬品の調合量間違えて 変なガス発生して大騒ぎになったな…笑 それ以前に学校でそんな危険な薬品いいのかよ 笑)

技術室
(ここではノゴギリを右手に 左手には ハンマーを持って 追いかけられたな 汗)

教室
(ここで……アイツに始めて話掛けられたんだよな。)
レイカの机を見たときに

一筋の雫が落ちた

涙…
机にはかすれた文字で
《ミナヅキくん 大好き》
とだけ書いてあった


(あぁ…俺の中には…こんなにもレイカがいる… こんなにも 想ってる…


やっぱりレイカが好きだ)


ミナヅキは
夕焼けの赤に染まる教室で

一人佇んでいた

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