《MUMEI》
危険人物
「目障りなんですけど」

徹に言われ、俺はゆっくりと起き上がった。

「…お前、いつまでここにいるんだ?」

俺の質問を聞いて、徹がため息をついた。

「あんたに、関係無いでしょう?」

「関係ある!俺は、志穂が…」

「志穂が?」

徹の問いかけに、俺は、


「俺は、志穂が誰よりも好きな男だ!」

と答えた。

徹は、驚きはしなかった。
そして、事も無げに、
「知ってますよ。志穂の家族もそこは、よ〜く、知ってますし」
と答えた。

そして、
「あんたは、祐希さんがいるから、志穂とは付き合えないでしょう?」

と続けた。

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